完全個別指導・プロ家庭教師 KATEKYO学院 関東

  • 0120-00-1111
  • メール

完全1対1の個別指導塾 水戸駅前校 完全1対1の個別指導塾 水戸駅前校

カテキヨースタッフより!

2022年9月29日

やさしい文章で解いてみよう[問題:古文]

柳田國男の『遠野物語』という作品を出典に古文の問題を作ってみました。『遠野物語』は1910年(明治43年)に民俗学者柳田國男によって書かれた作品です。時代は既に「近代」ですから、厳密には「古文」ではなく「近代文語文」に分類されるのですが、比較的やさしめな文語体で書かれていることと(古文が苦手な人でも読みやすい)、内容がとても興味深い(妖怪や幽霊、神隠しといった話がでてきます)という2つの理由で出典にしてみました。
軽い気持ちで読んでみてください。


以下は柳田國男『遠野物語』の文章の一節である。文章を読んで以下の各問いに答えなさい。

山女

山口村の吉兵衛という家の主人、根子立という山に入り、笹を苅りて束となし担ぎて立ち上らんとする時、笹原の上を①風の吹き渡るに心づきて見れば②奥の方なる林の中より若き女の幼子を負いたるが笹原の上を歩みて此方へ来るなり。きわめてあでやかなる女にて、これも長き黒髪を垂れたり。児を結いつけたる紐は藤の蔓にて、着たる衣類は世の常の縞物(しまもの)なれど、裾のあたりぼろぼろに破れたるを、いろいろの木の葉などを添えて綴りたり。足は地に着くとも覚えず。事もなげに此方に近より、男のすぐ前を通りて何方へか行き過ぎたり。この人はその折の恐ろしさより煩い始めて、久しく病みてありしが、近きころ亡せたり。
※1 山口村:現在の岩手県遠野市土淵町山口。
※2 縞物:縞模様を織り出した布地。

問1 下線部①を現代語訳せよ。

問2 下線部②を現代語訳せよ。

問3 本文で書かれていることに合っている内容を下記の中からあるだけ選びなさい。

①吉兵衛が山中で遭った女は、世にもめずらしい醜い女であった。
②吉兵衛は山中、女に突然話しかけられたが、それを無視したので、後日病気になってしまった。
③吉兵衛が山中で逢った女は、醜くはなかったが、着ている衣服はみすぼらしかった。
④吉兵衛は山中で逢った女に驚いて、逃げ足もおぼつかなくなるほど怖じけついた。


作成した問題の解説は次回のブログで。

▶︎お知らせ一覧へ